『うわー…お城?』


後ろに身体を反って見上げても視界に入りきれないほどの大豪邸―


これが世界的有名な久遠家。



仁「おい、いつまでそこにいんだよ。さっさと来い」



『へ…?』



仁「トロすぎ…」



『いやいや…ホントにあたしがメイドするの?』



仁「あぁ。お前行くとこねぇんだろ?他のメイドは俺に気を使いすぎて疲れるし、お前のほうがマシ。」


『マシって…』



―ギギ…っ―


ヤツと話してたら目の前のおっきいドアが開いた。



「「お帰りなさいませ、ぼっちゃま!!!」」



う"…何このキラキラした笑顔を振りまく人たちは!!



初めてメイドというものを見たよ。



でもちょっと、あったかい気持ちになるね。施設出てから独り暮らしだもん…



仁「あぁ、ただいま」


『お邪魔しマス…』


すると、メイドさん達はアタシへと視線を捕らえると…



「キャー!!!仁様が女の子を連れてきたわよ!!」


「お付き合いなされてるのですか!?」


「初めてじゃないですかぁー!!私共は嬉しいです!!!」



キャーキャーと騒ぎ出すメイドさん方。


そんなに珍しいの?