「ちぃは春休み何してたの?」


清々しい朝、一番あたしの理解者である親友の白鳥 咲が聞いてきた。


「バイトに決まってるじゃんっ!!今のアパートだって追い出されそうで休む暇ないよ」


今日は春休みが明けて新学期最初の日である。


「あんたはホントに苦労人だねー…やっぱりあたしの家に来なよ」


「だーめ。気持ちは嬉しいけど迷惑かけられないしさ」


「たくっ…あんたはいっつも1人で抱え込むんだから辛いときは頼りなさいよ?」


この親友の言葉にホロリ…


「咲!!大好きーっ!!」


抱きつこうとしたが、ハラリとかわされた。



「だー!!あっぶないなぁっ、いきなり突進しないでってば!!」


そのような会話をしながら校門が見えてきた。



そこで見かける光景は理解しがたい状況です…



「苦労人のあんたがこの学校にいるのか不思議に思われちゃうわね」


「あたしだって!!最初はびっくりだよっ!!あきらかに場違いじゃんっ」



目の前にはベンツの長ーい行列が出来てる状態。



通学手段が車…それに車種がベンツ。


それがこの学校では当たり前である光景。