「黒名どうしたの?電話で話せば良いじゃん!」

「ん、直接の方が手っ取り早いと思って」

て、手っ取り早いって・・・

「それに電話代かからないし」

だろうと思ったよっ!!(泣)

「え、で何?なんか大事な話?」

「うん、かなり」


ドク


『かなり』
ちょっと緊張してきた。
そのわりに黒名はジュースを気楽に飲んでいる。

「・・・で?」

「あぁ、今日の事なんだけどさぁ」

「今日のこと?」

黒名はストローがズズッと音をたてるまで飲み干した。
だから、なんなのさ・・・(汗)





「アンタ、田沢先輩が好きなんでしょ?」





「は」

「私さぁ部活帰りに蜜と入野先輩がいい感じになってるところ、見ちゃったんだよね」

・・・あぁ、あれかっ!!

「ち、違う違うっ!あれは偶然先輩に会っただけでっ」

「じゃなくて、アンタ迫られたじゃん」

『迫られる』?
なにが?

「・・・はぁ、気付いてないのか・・・」

そういうと黒名は、なんか心のそこから私を馬鹿にしたようにため息をついた。
な、なんだよう。

「アンタ、稽古のしすぎで頭に知識が行ってないんじゃないの?」

「な、なにをうっ!??!」

「はー、説明するのもめんどくさい・・・」

えぇっ!?

「せ、説明って!?」

「蜜、マジで知らないの?」

「し、知らないって何が・・・」

あ、またため息ついた。
じらさないでよっ!!

「あの時、なんか言われなかった?」

「な、なんかって・・・」

なに言われたっけ・・・
あんまり憶えてないなぁ。



『応援、来いよっ』



「あ、そーいえば!」