「はぁー、母さんも

  電話の一本くらい

  してくれりゃあいいのに」


 一人呟き、

 テレビのリモコンを手に取った。







  その時だった。




 『プルルルルー』


 
 電話がけたたましく

 鳴り響いた。




 一瞬嫌な予感がしたが、

 きっと母さんだ、

 という思いで打ち消した。