ハッピーバースディ

「どうだった?」

帰るなりタクが言った。
でも私はタクの質問より、本当に彼がいてくれたことにほっとした。

「よかった」

「そうか、よかった」

「何が?」

「行ってよかったんだろ?」

「何のこと?」

「まぁ、いいけど」

タクが笑ってテレビに目を戻した。またDVDを見ている。



 奇跡の輝き


先に死んで霊界へ行っていただんなさんが、
後から自殺して地獄へ堕ちた奥さんを助けにいく話。

タクはこういう立場になってから、
よく霊界もの見るようになった。
参考にしているのか、
ただ単なる興味にすぎないのかはわからないけど、
そんな時、私はいつも目をそらしてしまう。

そんなもの関係ない。
私は普通に暮らしていたい。
非日常なものなんて何もない。せめてうわべだけでも、そう演じていたい。

タクがそばにいることが、私の生活のすべてだったから。