*執事サマの甘い誘惑*




「ありがと。結衣サマ」




そう言って、満足そうに笑う彼はあたしの肩をつかんで引き寄せた。




…チュッ


「…ひゃっ…」




いきなり首筋にキスされた。


吸い付くような軽いキス。


変な声を出してしまったことと、驚きとで


たちまち顔が赤くなる。




「何、超敏感。かわいー」




蓮は、おもしろそうに笑って呟く。




「結衣、あんまり俺を
本気にさせないでよ」


「なっなななっ何っ」



ベッドから急いで降りて、蓮を睨んだ。




「そんなに強がらなくてもいいじゃん。
では、外でお待ちしてますから。」





蓮も軽々とベッドから飛び降りて、一礼して部屋を出ていった。


パタン、と扉が閉まる音がした途端にあたしはへなへなと座り込んだ。



何なのあいつ。


明らかに蓮のペースに振り回されてるあたし。



このままじゃ…


あいつの思い通りにされてしまう気がする。




「だめだめ!
あたしはそんなことでくじけるような子じゃない!」




そうだ。


負けてらんない!






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