「桜井 結衣さま」 気のせい… 「初めまして」 なんかじゃない。 黒髪の人の、真っ黒で綺麗な瞳は、間違いなくあたしを見つめてる。 目の前で立ち止まった彼は、ニコリと微笑む。 そして、跪く。 「桜井結衣さま、あなたをずっと探していました。」 「え…?」 跪いたまま、黒髪の彼があたしを見上げる。 あまりに驚いて、あたしは固まった。 そんなあたしを見て、彼はクスッと笑い、言った。 「私、東堂 蓮と どうぞご契約を。」 プリンスの… とうどう れん…が、 あたしと契約…? .