高一の春……
香は幹也と出会う。
席が近いわけではないのに、幹也は香の席に来ていた。
「俺、山地って言うんだ。よろしく」
香は活字の並ぶ、厚い本から幹也へと目線だけを移した。まるで、睨んでいるような格好になる。
幹也はそんな事を気にも止めずに、ニコッと笑って俺の前の空いている席へと座った。
「君の名前って何て言うの?」
香はまた本へと視線を戻していた。
所詮、コイツも時間が経てば俺なんかじゃなくてもっと違う奴等の所に行くだろう。
深くもなければ浅くもない…そんな中途半端な関係しか結べない。
友達なんて唯の肩書きでしかない。
俺はツマラナイ人間。
だったら…最初から友達なんて作んなきゃいい……。
俺は独りでいい…
誰とも俺となんか……
香の心はいつしか閉ざされていた。自らの感情すらも、心の奥にしまい込んだ。
本当の自分って何だろう?
中学校の時から俺は俺を閉ざした。だから、高校でもずっとそのつもりだった。
誰とも関係を持たない…
「………」
「本ばっか読むなよー。ま、いいけどっ」
香は幹也の質問には答え無かった。何故なら、次の時間に自己紹介する事になっていたからだ。
一々、自分の名前を他人に言うなんて面倒だ。
チャイムと共に担任が教室へ入ってくる。生徒は皆席へと着いていく。
「自己紹介してもらおうかな!じゃ、一番から」
どうでもいい……
香は幹也と出会う。
席が近いわけではないのに、幹也は香の席に来ていた。
「俺、山地って言うんだ。よろしく」
香は活字の並ぶ、厚い本から幹也へと目線だけを移した。まるで、睨んでいるような格好になる。
幹也はそんな事を気にも止めずに、ニコッと笑って俺の前の空いている席へと座った。
「君の名前って何て言うの?」
香はまた本へと視線を戻していた。
所詮、コイツも時間が経てば俺なんかじゃなくてもっと違う奴等の所に行くだろう。
深くもなければ浅くもない…そんな中途半端な関係しか結べない。
友達なんて唯の肩書きでしかない。
俺はツマラナイ人間。
だったら…最初から友達なんて作んなきゃいい……。
俺は独りでいい…
誰とも俺となんか……
香の心はいつしか閉ざされていた。自らの感情すらも、心の奥にしまい込んだ。
本当の自分って何だろう?
中学校の時から俺は俺を閉ざした。だから、高校でもずっとそのつもりだった。
誰とも関係を持たない…
「………」
「本ばっか読むなよー。ま、いいけどっ」
香は幹也の質問には答え無かった。何故なら、次の時間に自己紹介する事になっていたからだ。
一々、自分の名前を他人に言うなんて面倒だ。
チャイムと共に担任が教室へ入ってくる。生徒は皆席へと着いていく。
「自己紹介してもらおうかな!じゃ、一番から」
どうでもいい……

