契約の恋愛

雪葉自身に、合コンへ行こうという気持ちはない。

ただ単に、私が心配なだけ。
雪葉にとって私は、大切な存在なのだろうか。
私にとって雪葉は、大切な存在なのだろうか。

分からない。考える必要もないと思ってた。どうせ別れてしまうんだし。

どうせ、私はいなくなってしまうんだし。

「あ、ここここ!」
雪葉の甲高い声で、璃雨は地面から視線をあげた。
目の前にあるのは普通の料理店。

「…渋いね。」

「それより、早く着替えるよ!」

引っ張られるように、璃雨は洗面所に連れていかれた。のろい璃雨は、いつも雪葉に引っ張られる。

「これ着て!!」
ぼーっとつっ立っている璃雨の髪を、どこから持ってきたのか大きいバスタオルで、わしゃわしゃとふく雪葉。
手に持たされたのは、シンプルなワンピース。

…もしかして、雪葉って前世璃雨のお母さんかもしんない。
ありえなくもない。

ふっと笑みを溢す。
人は、どこか見えない所でつながってる。

「ほら、早く着て!」

「…はぁい。」