今思えば、ちっぽけな約束。
けれど、あの頃の璃雨にとってはとても大きい約束だったよ。

あの日、日向から聞いたこと。

知ったこと。

そのとき感じた想いを糧に、璃雨は夢を取り戻しにいこうと思います。

西山日向は、ゆっくりとほほえんだ。

「…じゃあ、そこのベンチ座って。」

そう言って、すぐ近くにある木製のベンチを指差した。

物語は、急速に過去に戻りだした。