璃雨は、いつものようにランドセルを無造作にリビングに置き、冷蔵庫の中のジュースをコップにそそいだ。

それを一気にのどに流し込む。

それと同時に、不意にどこかから人の声が響いた。

私は不信に思い、その声に耳を傾ける。

その声は、どうやら母の部屋から聞こえてくるようだった。

おそるおそる階段を上り、部屋を覗く。

その頃の璃雨は、何の危機感もなしに生きていた。

人間の心なんて、すぐに壊れてしまう物だということも知らずに。

部屋を覗いてみると同時に、璃雨は動けなくなった。
鼓動がバクバクと高鳴り、その場から動けなくなる。
…な…何…これ。

部屋の中は、驚くべき光景が写っていた。

一人の男に、はだけた服のまま母が寄り添っていた。
ドクン ドクン ドクン

その一人の男は、父ではなく知らない男。

よく目をこらしてみると、制服のようだった。