契約の恋愛

覚えていないけれど…。

それに救われなかった璃雨がおかしかったのかもしれないと、今では思うよ。

そして、亮也は抜け殻のようになった璃雨のそばにいてくれた。

ずっと。

でも、結局は救えないものもあるのかもしれない。

現に、暗闇に迷ったまま抜け出せないでいるから。

小さな路地をゆっくりと歩いていき、やっとこさ長い路地を抜けた璃雨は周りを見渡した。

人気もなく、殺風景とした景色は相変わらず変わらない。

私はふぅと一息つき、歩きだした。

亮也の家にいなかったら、陸飛の家にも行ってみよう。
それでもいなかったら、秘密で陸飛が教えてくれた廃墟した工場にも足を運んでみよう。

何年ぶりだろう。

久しぶりに足を運んでみたかった。

小さなアパートの前を通りすぎ、私は高級な一軒家の前で立ち止まった。

いつみても大きい。

なんせ亮也の両親は、どっかの会社の社長だし、母親の方も大令嬢。

この位の大きさの家を立てても、納得はいく。