「またバイク乗るんだよね…」
「そうだよ？何？お嬢怖いのぉ？」
「ち、違う！覚悟してるだけ」
「大丈夫～！安全運転は俺の専門！」
そんなこと言ってもあの速さは怖い！
しかも対向車なんかもの凄いスピードで、
こっちに突っ込んでくるように走ってるし。
「お嬢、バイクはね、風を感じるんだよ」
なんて言ってるけど、
私にはそんな余裕はないんだもん！
ヘルメットを渡されて、いざ！
「そんな、堅くなってたら落ちるよ？」
「え、縁起でもない!!」
今度はあまり力を入れずに砂野にしがみつく。
怪力とか言われるほど、抱きついてたなんて。
今考えると恥ずかしくって仕方ないや。
ドルルルルーンッ
バイクが走り出した…けど、あれれ？
思ったより、早くない？気がする？？
「これくらいだったら早く感じないだろ？」
すっごいデカい声が前から聞こえてくる。
そっか、私があまりに怖がったから、
ゆっくり走ってくれてんだ…
なんだよ、砂野、いいやつじゃん
