つまらない講義に耳を傾けて、

サークルに行くっていう麻衣と別れて、

悠の働いているバイト先に向かう。



悠は悠らしく本屋さんで働いている。

場所は私の家の近所。

だから私は門限ギリギリまで遊びに行ける。



なんだけど…



「いらっしゃ…あ!あかり♪」



悠が私に気付いて寄ってくる。


本屋さんにお客さんは殆どいない。

あまり…栄えていない本屋さんなんだけど、

でも普通の大きな本屋さんにはない、

温かい雰囲気のある本屋さん。


そんなところで働いている悠。

悠っぽい場所で、私も大好きな本屋さん。



「ごめんね、まさか代講あると思わなくて」

「いいよ、こうやって会いに来てくれたから」



悠がニコニコ笑ってくれる。

こういう時の悠の表情が好きだな。

思わず私もつられて笑顔になっちゃう。