しかし、 西根さんは待ち合わせの場所に来なかった。 家に帰ると、携帯に留守電が入っていた。 「ごめん…ちょっと道に迷っちゃって… あのね…?……やっぱり、突然だけど…別に誰でも良かったてわけじゃないんだよ!? アラキくんのこと…本当にす…」 そこからは聞き取れなかった。 汽笛のような音でかき消されていた。 何故、沈黙の間にさざなみのような音が聞こえるのだろう。