その日、西根さんに会うことなく、学校に着いた。
優と馬鹿なことを言い合いながら。


もう会わないかもしれない。

なんとなくそう思いながら。




「優は良いよな」

「むぐ?」


昼休み、パンを頬張っている優に話しかける。

優はパンを飲み下して口を開いた。


「お前さ、言い訳すんなよ」

「は?」


優は真顔だった。

気まずくなって目をそらして自分の弁当をつつく。


「俺だって頑張ったんだよ」