西根さんの目は虚ろだった。


『頑張れ、この状況での告白は修羅場になるからしちゃ駄目だよ』


なにをするか分からないので、さりげなくメールを送っておく。

告るどころか、渇いた笑顔が走ってる電車からも飛び降りそうで怖い。


「この子、天然なんだって」

「え、知ってるよ。うちの学校で結構有名。
この前、持久走で逆走してたよね」


そんなこともしてたんだ…。

もしかして、南高の有名人?


「え!?ドーモ〇ん?」


駄目だ。
自分の世界に引きこもっている。


「そういえば、カバン見つかったの?」

「うん、ロッカーに入れたの忘れてた」