その日、
西根さんが本当に告ることができるのか、不安になった俺は、あえて優の通学時間に合わせてみた。

でも、優には彼女いたよな、確か。


優に彼女はいた。


そして、その日は
仲良く手をつないで優と彼女が登校していた。


南高の制服。
明るい髪でよく笑う、元気そうな子。
かわいい、というより綺麗という言葉が合う。

優にもよく似合っていた。


これを西根さんが見たら、落ち込むかな。
まあいても良いとか言ってたし、気にしないのかな。

俺はひたすら、西根さんが電車に乗り間違えることを祈った。
ついでに誰かに間違えて告らないことも。


しかし、俺の思いも空しく。


「おはよーアラキくんと…」