何事もなかったように振る舞った西根さんだったけれど、実はものすごく動揺していたようで
次の駅に着いた途端、


「じゃあね、明日こそ絶対頑張る!」


と、出ようとした。

俺はすかさずそのバッグをつかむ。
ショルダーバッグの紐が首をしめ、ちょっと苦しそうな声を出して西根さんは止まった。


「まだ、降りる駅じゃないよね?」

「…あ、本当だ」


このバッグ通学用にした方が良いんじゃないかな。
落とさないし、止められるし。





その日の体育の時間


「アラッキ~…」

「んぁあ?」