天然100%

着いた駅で人が押し寄せた。


あ、やばい。


と思う前に、入り口付近にいた俺たちは隅に追いやられた。


「大丈夫?」

「大丈夫…」


心配そうに覗き込む西根さんに笑いかける。
俺はせめて西根さんが押しつぶさないように頑張った。

次の駅は繁華街があるのでもっと人が乗ってくるんじゃないか。

この人ごみに紛れて離れておくべきだったかもしれない。


「今日1時間目から体育なんだー
朝ご飯がっつり食べると気持ち悪くなるからこれで我慢しようと思って」

「へぇ、俺のとこも体育」

「あ、リモコンわすれた…」


何を忘れてももう驚かないけれど、どうしてこの話の流れで思い出すのか分からない。