天然100%

「今日はちゃんと言うことメモして来たんだ」


嬉しそうに広げる手の甲には油性ペンで恥ずかしい言葉の羅列。

人の目を気にしないのかこの子は…。

俺はため息をつく。


「ん?どうしたの?」

「…いや…今日は人多いなと思って」

「そうだね。あ、よっ〇ゃん食べる?」


取り出す前に広がる、酢と魚介類独特の匂い。

何故そんなものを…。
人多いんだって…。


「…いや、遠慮しておくよ」

「そっか、酸っぱいものは唾液が沢山出て満腹感を得られやすいんだよ」


言って、酢漬けのイカの駄菓子を口に運ぶ。

なにその良いこと教えてあげたって顔。