「好きです!結婚してください!」


それは、登校途中の電車の中。

ちょっと睡眠時間が足りてなくて、立ったまま寝れるかなーとあくびをしていた時だった。


見ると、女の子が目をつぶって祈るように両手を組んでいる。

赤と緑のタータンチェックのスカート
セミロングの黒髪は癖一つない。
きれいな肌にぷっくりとした唇。
普通にかわいい、というか美少女?


その目の前には俺しかいない。


「…俺?」

「はい!!」

「…結婚?」

「あれ?はい…」

なんだか言った本人も困っているが、やはり俺に向かって言ったらしい。


「で、でも俺、まだ17歳で結婚できる年じゃないんで…
それに、あんたのこと何も知らないし」