咲月なんていなくなれば良い。



いなければ、私はこんなこと言われない。
これは確信している。



「あたし、別に朋子ちゃんと仲良く
 したいわけじゃないんよ?
 ただ、咲月ちゃんと仲良くしたいの。」



「うん、だって、朋子ちゃん地味だし....
 ごめんね....」



「それに比べて、咲月ちゃんって、
 可愛いし、天才だよね!」



確かに、私は出来ない人間。



だけど....なんで?!



咲月のはんなりとした笑顔を
赤いマーカーで潰していく。



罪悪感はあるけど....
だけど、私、辛い。



仲良しという言葉を、
線で消し、その横に、死ね、と書いた。



ようやく私の気持ちが落ち着いてきた時、
ガチャン、と玄関の鍵の開く音がした。



....もしかして、お母さん帰ってきた....?