第10章:朋子side

私は咲月の手を引いて、
ショッピングモールに入った。



行く場所は決まっていた。
謝り方が見つからない。
これで許してくれるなんて
甘いことは思ってないけど....


だけど、どこかで期待している自分がいる。



これで咲月と仲直り出来たら良いのにって。



咲月の優しさを完全に利用してるよね。
本当ごめん、咲月....



咲月は何も言わず、
黙って付いてくる。



100円均一の店に入った。
歩くことにした私は
咲月の手を離した。



この時、私は自分の手が
すごく汗をかいていたことに
気が付いた。



100均の床は濡れていて、
靴がキュッと鳴った。



咲月の気配を斜め後ろに
感じながら、もはや
何も考えることが出来なくなっている。



心臓はバクバク鳴り、
前もきちんと見れず、
床を見ながら100均を出た。



行く場所は決まっている....
咲月の靴をチラッと見て、
私は方向転換した。