「酷い....」



プリクラ帳を手にしたまま、
ベッドに倒れ込む。



髪の毛に薄く積もった雪が
布団に落ちて、溶けた。



静けさを破るように、携帯が鳴る。
咲月の体がビクッと反応した。



「朋子からメール....」



(咲月~!
今日遊べるっ・)



絵文字ありの、いつものメールだった。



遊べる?ってさ....
本当はあたしのこと嫌いなのに
そう思わないよね?



(もちろんッ・
1時に朋子んち行って良い?)



「....弱みを握ったあたしは
 有利な立場にいるんだよ....」



咲月は、やや強張った笑顔で
ニヤリと笑った。



無理して笑っている、と
自分では認めたくないと
咲月は思った。