あまり笑顔も見せないまま
私は学校を適当に過ごした。



咲月は後ろの席だから、
ついつい話しかけてしまう。



今日の咲月はいつもの咲月より
数倍おしとやかだったと思う....
昨日、咲月の部屋で見た、あの笑顔。
少し、いや、かなり怖かった。



「起立、礼。」



今日の日直がそう言って、
お祈りを唱え始める準備をした。



私たちの学校はキリスト教。
私は完璧に信じているわけではないけど、
お話を聞くのが大好きなんだ。



「主よ。」



先生がそこまで言うと、
クラスのみんなはお祈りを始める。



「今日一日の学びを成し終える私たちを
 導きお守り下さったことを感謝いたします。
 どうぞ、 私たちの働きが主の祝福に
 よって、聖なる捧げものと
 されますように力をお与え下さい。
 主イエス・キリストによって感謝し、
 お願い致します。アーメン。」



軽く礼をし、解散だ。
咲月が私の机に寄ってくる。
少し緊張する。


「帰ろっか?」



私は、彼女に微笑みかけた。