咲月の家の前について、
はぁ、と一息漏らす。



咲月の家に泊めてもらえないかな....
だって、お母さんの顔、見たくない。



昨日あんな酷いことを考えたのに、
私は甘い考えを持ってしまった。



お母さんはプリ帳を持っている。
捨てたと言ってたけど、
ゴミ捨て場あさっても出て来なかったから、
多分お母さんが持ってるんだ....



あれを返してもらわないと....
私は、家を出ることは出来ないんだ。



もう疲れていた。



お父さんには迷惑掛けたくないよ。
だけど、お母さんと家で2人きりなんて、
本当に無理なんだ....



お母さんにプリ帳を返してもらったら、
もう思い残すことはない。



返してもらわないと、もしかしたら
お母さんは咲月にあのプリ帳を
渡してしまうかもしれないのだ。



それだけは嫌だった。



あんなに昨日は咲月なんて
いなくなれば良い、なんて思っても、
私は咲月のことが大好きだった。



性格がとても良いから。



咲月の頭の良さ、家柄の良さ、
顔の良さ、性格の良さ、全てに
イライラしたけど....