第4章:朋子side


「痛っ....」



授業中、ひざを机の脚にぶつけ、
思わず顔をしかめた。



ただひざをぶつけただけじゃ、
全然痛くないんだよ....



でも、今ぶつけた場所は、
昨日お母さんに蹴られた部分だから───



私は屈み、ぶつけた場所を
見てみる。



やっぱりあざが出来ていて、
紫色になっている。
痛い....



昨日のお母さんの声が蘇ってくる....



「なんであんた生きてんのよ?!
 なんで恭平さんと2人きりにさせて
 くれないのよ....!」



お母さんのことを忘れようと、
いつもの癖で後ろの席を振り返った。



「ねえ、咲月....───」



後ろの席には誰もいなかった。
そうか、咲月は今日休みなんだ....



咲月の隣の席の男子が、
私を見てクスクスと笑った。