次の朝、咳が止まらないせいで
全然眠れなかった咲月は、
真っ青な顔をしながら下の階に下りた。



「おはよ....」



「やだっ....何その顔!
 ゲソっとしてるわよ!」



「お母さん....」



あのさ、その言い草はないと思うよ!!



完璧に風邪を引いた咲月は
学校を休むことにした。



ベッドの中で、いくらかホッとしている
咲月がいた。



朋子に会わなくて済むんだ。



どんな顔をして良いかわからない....
いや、その前に、朋子の前に出ると
どんな顔をしてしまうか分かったもんじゃない。



憎い....捨てるなんて。
親友ってプリクラに書いたよね?
仲良しとも書いた。



全部線引かれて....捨てられた。



朋子なんて....みんなに嫌われて同然なんだ。
みんな、朋子のこと悪く言うけど、
咲月にはなんでか全然分からなかった。
───前までは。