第3章:咲月side


「ゴホ....の、喉痛い....」



咲月は、咳を数回して、
顔をしかめた。



「えー....薬飲む?」



咲月の母が心配そうに言った。



「薬....飲む。」



やっとのことでそう言い、
咲月はまた咳をした。



朋子の家から帰ったあとは
具合なんて悪くなかった。



ただ、落ち込んだ。
だけど、プリクラ帳を見ていると、
だんだんと朋子に怒りを覚えた。



夜になり、咳は止まらなくなった。



最悪....風邪引いたかもしれない。
雪の中、道端で何分間か立っていたのだから。




彼女の母は、そんな咲月に気を使って、
豆乳鍋を晩御飯にしてくれた。



体は熱くなって温まったけど、
咳は止まらない....