かみさまの椅子



割れた地面、崖から下を見下ろす。


見下ろしているのに青空が広がっていた。


「無理!!」



向こう岸にたどり着けず遙か下に落ちる自分を簡単に想像できて、それだけで大ジャンプする気持ちが失せる。



しかし残っても崩れ落ちていく浮き島と共に崩壊するしかない。


だったら少しでも生き残れる道を選ぼう。

ゴクリと生唾を飲み込み青空は覚悟を決め向こう岸にいるリオンをギンッと睨む。


「ちゃんと受け止めてよ!!」


「安心しろ」



ガラガラと崩壊していく浮き島の中で絶対絶命なのに回りの雑音の中でリオンの落ち着いた声がすんなり耳に届きさっきまでの緊張や焦りがすっと落ち着いていく。


「フィード先行く」

「気をつけろよ」





言葉を交わし青空は地面を蹴って走りだした。