「卵が!」
「フィード危ないよ!!」
急いで手を伸ばすが卵はすでに割れ目の暗闇で姿を消していた。
「ソラ!フィード!早くしろ!!」
まだ来ない二人に急ぐように急かすが青空は呆然と亀裂を見下ろしているだけ。
「フィード!しょうがないよ!」
「だってせっかくの龍の卵!」
「今度ダチョウの卵あげるから!!」
パキン
「……えっ?」
ー……キュゥゥ~~ー
何かが割れる音がし、次には可愛らしい鳴き声が割れ目から響いた。
「なんか居る」
しっかりとフィードも聞き取り、二人して崩れていくのも気にせず見下ろす。
固唾を飲んで見下ろしていると二人の間をビュンッと何かが風を切って駆け抜けた。
「キュゥゥ~ン」
バッと合わせたんじゃないかと思うほど同時に見上げる。
そこには空色に光つるつるした細長い体 に鼻先は丸くくりくりの黒い目、そこから斜め上に鋭い二本の角に左右に透けた鰭を付けた蛇に似た生き物がそこにいた。

