訳も分らず少女は男を見上げる。 「巻き添え食らいたくなければ此所に居ろ」 それだけ言うと男は戦いの中にゆったりと焦る事も無く行ってしまった。 その後ろ姿は獅子が獲物を狙うかの如く言い様が無い気迫に包まれていた。 残された少女は突然一人にされて心細くなり隙間の中で縮こまっている。 「厄日だ、厄年だ何でリアルカリビアンなんか体験しないといけないのよー」 某海賊映画を思い出し涙混じり愚痴る。