ぐいっとリオンの腕を本人が痛がっているのも無視して持ち上げる。
「お前包帯ぐらいしっかり巻けよ!」
「う、ごめん暗くてよく見えなかったもんだから、そんなに酷いとは」
苦笑いで返すが相手は納得できない顔でいる
「まぁまぁいいじゃん、キャプテンだったら頭から地面に突っ込んでも死ななそうじゃん」
「フィード」
はははと陽気に笑いながらいつの間にか現れたフィードの台詞にリオンは呆れ。
「お前俺の事何だと思ってんだよ」
「我等がシュヴァルツバルトのキャプテン不死身の白獅子です」
にこりと答えるフィードだがリオンはあまり嬉しそうではない、不死身とか白獅子とか大層な言葉が出てきているが全く話について行けなぁ青空、つまらないのでしかたなく両手で大事に持っている卵に視線が落ちる。
じっくり観察すると全体は灰色だけど所々に黒いまだら模様になっている手触りはつるつるである。
「ソラ、そろそろ飛行機に引き上げるよって何持ってるの?」
どうやら青空とリオンが遺跡内を回っている間にみんなが探索し終えたらしい、フィードは持っている卵を不思議そうに見つめどこかワクワクしている、地上で調べた内容に大した魅力も感じなかったからか青空が持って帰ってきた物に期待が湧いていた。

