みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~

せやけど、自分の目に見えるもんが100%信用でけるもんとはかぎらへん、とも思う。


実際、たとえ同じ景色を見たかて、色弱のウチとそうでないヒトが見たんでは、たぶん違って見えてはるんやろうと思う。

それに100人の男の子が才色兼備のウチの姉と出逢うたら、その100人全員が姉に惚れると思うけど、ホンマの姉をみんなは知らへんわけやし、世の中にはホンマ、そないなことがぎょうさんぎょうさんある思うわぁ。

ま、そーいうウチかて、テレビで見たときの印象だけで、イケメン俳優のファンになっとる。たとえ、そのヒトがホンマはめちゃめちゃ性格が悪うて、撮影現場のスタッフたちに無理難題を言うては当り散らして嫌われとるいうウワサがあるにもかかわらずや。


人間って、ちゃんと目を開けて前を向いて歩いとるはずなのに、いったい何を見ながら、どこに向かって歩いていっとるんやろ?


まぁ、“最優秀賞を取れへんやったんはウチが色弱やったから”っていんのは、あくまでウチが自分の都合で考えた自分なりの結論やから、ホンマのところはよう分からんし、ソレはみっともない、単なる負け犬の遠吠えなんかもしれへんけど……。


今さら、このことを辺見先生にカミングアウトしたとしても、一葉の最優秀賞受賞が撤回されることがないんは分かっとるし、もし仮に撤回されるんやとしても、カミングアウトする気なんてあらへん。