君の中で僕は眠る



花を扱っている時の彼女は
プロの顔をする一方、
可憐な少女のような美しさを醸し出す。


心から花を愛してる証拠だ。


路肩に停めた車内から僕は彼女を見つめる。


決して僕達が接触することはない。


ここにいる30分間は
僕の視線は彼女だけに注がれる。


この時間が唯一の至福の時。


目尻を下げ、慈しむように微笑む僕は運転手の佐々木しか知らない。



「志穂…。」



抑圧された感情は予想の範疇を超えて肥大していく。

胸が焦がれるほどの想いに…花そのものに嫉妬する。


志穂は僕の元恋人。


そして僕が今でも心から愛している女性だ。