大切な人が居なくなってしまう辛さや悲しさが分かっていたから…


コンッコンッ

部屋のドアを叩く音がした

「あみ。入ってもいい?」
「うん。」

ドアの向こうから聞こえたのはナミの声


夏休み中な事もあってナミは毎日私のところに来てくれた


ナミが部屋に入ろうとした時、ナミの足と私のバックがぶつかった


それと同時にバックの中身が床に散らばった


「あみ、ごめん」


「大丈夫だよ。」

そう言って私は散らばった中身をバックに戻し始めた


ナミから誕生日にもらった写真立てと自分で買ったカメラもあった…
「ナミ…ごめんね…」


「どうしたの?」


「せっかく…ナミが…くれたのに…写真立て使えないままになっちゃった…」


「あみ…」


私もあみも泣いた

子供のように泣き続けた

泣き続けてもあつしが帰って来るわけじゃないこと…分かってたのに


それでもあつしが「何泣いてんだよ!」って優しく抱きしめてくれるような気がしていた


数十分泣いた後また散らばった中身をバックに入れ始めた


「あみ、私そろそろ帰るね」


「うん。いつも来てくれてありがとう」

「また来るからね」


「うん」