あたしはいつの間にか目に涙を溜めていた。
「泣くなよ」
「…っ…だって…郁はちゃんと考えてるのに、あたしはおどおどしかしてなくて何にも役にたって…ないんだも…」
あたしは郁に抱きしめられた。
自分の身体で抱きしめられるとかやっぱり変な感じ。
「大丈夫。今は女の身体でも、今までみたいに近くにいてやるから。守ってやる。それにスリルのある生活もナカナカ良さそうじゃん」
ニっとはにかんだ郁。
あたしがはにかんでるんだけど。
あたしは郁の一言でものすごく落ち着いた感じだった。
「…ありがとう…郁」
「お礼言われるほどのことしてないけどね」
そんなことない。
いっぱいいっぱい、安心させてくれてる。
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