《美知琉side》



「自分のこと鏡でじっくり見てくれば?」


麻知にそう言われて

鏡は無かったから身体だけでもと、身体を見つめた。


肩まである髪に

胸元のリボン。


スカートにハイソックス。


あたしが二ヶ月くらい前までしていた格好そのものだった。



郁を見てもそう。


もうスカートなんか掃いてないし、あたしの格好もしてない。



男の子の郁だった。


前と変わらないかわいらしい顔の郁。



あたしの大好きな郁が

今、目の前にいる。





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