バースは老婆の後を付いて行き、老婆の自宅と思われる家に入った。
家の中に入るとリビングに通され、バースは適当に椅子に座った。老婆は一度キッチンに入り、トレイにカップを二つ持って戻って来る。
「どうぞ」
そう言ってバースの前にコーヒーの入ったカップを置く。老婆は自分の前にもカップを置いて椅子に深く腰掛けた。
「話があると言っていたが、その話とは?」
バースが促すと、老婆はカップを置き真直ぐバースを見つめた。
「私の話を聞いて信じるか信じないかは分かりませんが、言っておきたいんです。ルナの為にも」