神人~神人になった理由~

キンブリットの街は、夜よりも暗くなり、やがて雨が降り出した。
「雨か…。昼間はあんなに晴れてたのに」
雨は大降りではなかったが、一つ一つの雨粒が大きく窓に当たる音が少し耳障りだった。
「明日はジュリアが来るから、もう帰れるな」
この街は好きだけど、ここにバースの居場所はない。そんな場所は早く立ち去るのがいい。
「もう少しゆっくりしたかったけどな」
まぁ、仕方ないだろう。
そろそろ寝ようと目を閉じた時、外から耳鳴りのような甲高い悲鳴が聞こえた。
「魔獣!?」