一日かけて街の中を歩き回ったが、結局結界を張った者は見付からなかった。
街全体を覆う結界だ。きっと常に力を注いでなくちゃならないはず。
それにそれだけの力を使っているならバースにも分かるはず。なのに見付からないという事は、街の外から結界を張っているという事だ。
「参ったな…」
バースは安い宿の部屋で、ベッドに寝転び言った。そして暫く考えてからベッドの側にある電話に手を伸ばす。
外にいたんじゃ中にいるバースにはどうしようもない。
バースは教会のナスカの部屋の番号を押した。