口元についてしまったアイスを手の甲で拭きつつ、歩みを進めながら、
頭の中で、今日のスケジュールを再確認する。
特にすることはない・・・。
小柴からの誘いを受けておくべきだった、と地味に反省してみた。
同じクラスであり、由宇とも仲のいい小柴 葵【コシバアオイ】(女)はちょっと天然風な
お嬢様。
小学5年生のときに、新潟県から引越してきた・・・根っからの雪国育ち。
あまりにもドジなため、物は壊すわ、用事を忘れるわ、よく転ぶわ・・・俺と由宇は昔からかなりの被害にあっていた。
でも、すこしも嫌じゃなかった。
きっと由宇も同じだろう・・・
だって、葵が不審者に連れ去られそうになったとき、由宇は憤怒して、相手の首を絞めていたからね。
俺も由宇も葵が好き。
その想いが叶うことは、ふたりとも無いのだけれど。
