相変わらずの口の悪さ。それでも置いて行くことは出来なくて。
微妙に静止したような、スローペースで歩いてやった。
・・・ちょっと可哀想かな、なんて思ってしまった。
だって、俺に芳子が、いつも憎まれ口を叩いたり、邪険な扱いをするのは、俺が同じことをしているからなんだよな。
要はオウム返し。
別に悪気があるわけじゃないぜ? 嫌いだとかそういうのでもないな。
反応がちゃぁんとあるし、ま、暇つぶしに丁度いいしなぁって。
だからからかってやる。
たまに、自分でも言いすぎたかな・・・って思うこともある。
キモイとかブスとか。
んなこと、本当はねぇけども。
慣れ親しんだ仲のせいか、ついつい口が滑ってしまうんだ。
そういうとき・・・ちゃぁんと返事が返ってくると安心する。
可愛くはねぇけど・・・家族だし愛情はある、うん。
今さら、擦り寄ってきたり甘えられたり頼みごとされたり【おにいちゃあん】なんて言われたら、ウザいからそれは、もういい。
だから、俺はあいつが、笑うとき笑って悲しいときや苦しいときに泣くことができたら、もうそれでいいと思うんだ。
絶対に我慢するんじゃねぇよ。
お前らしくねぇから。
