波打ち際の貴方へ





 見てる・・・みんなこっちを・・・





 周囲は重苦しい空気が漂っていた。ほんの3分前は快晴だったはずの天気が、

 あっていう間に、青空を雲で塗りつぶし、太陽を消したように。




 あれは、あの者たちはもはや人間ではない。



 野獣だ。皆、野生に返ったのだ、本来あるべき姿に。

 その存在は目だけが、色濃く表している。

 睨む睨む野獣たち。私の前方に座る大魔王を狙っている。

 そして、あの笑顔を向けられた私には、凄まじい憎念が送られてくる。


 毒電波を駆使し、ハンカチをキュッと噛み締め、さらに脅しを掛けてくる。







 だが、私は負けない。昔から、この手には慣れている・・・




 【兄も*1魔族であり・・物心ついたときから、*2マジックパワーを
*3リアルタイム受信してきたのだ。】





 *1 ユウを含め、両親、兄もこれに属する。フェロモンがすごい。


 *2 憎念、毒電波など。簡潔にいうと、嫉妬心ゆえの行動からくるもの。

 
 *3 まるでその場にいるかのように(いや居るんだけどさ)、直に攻撃をくらうこと。