「菫が彼女で良かった…。」


そう言った慎吾の顔が近づいてきて…


赤信号の光で車内が赤色に染まる中、あたし達はキスをした。


今日の事は、絶対に忘れない。


だって、慎吾の育った環境を初めて見た日だもん。


あたし達も慎吾のお父さんとお母さん…そしてあたしのパパとママみたいな夫婦になろうね。


幸せな気持ちでいっぱいのあたしはこれから先、待ち受けてる恐怖を知るはずもなく、車のラジオから聞こえてくる曲を鼻歌で歌ってた……………。