「分かってる。
でも、菫は菫のままでいい。変に取り繕ったりしなくていい。」


そう言って慎吾はあたしの頭を優しく撫でた。


その一言でちょっぴり心が軽くなったよ。


「ん…ありがと。」


笑顔になったあたしを見て慎吾も笑顔になる。


「さっ、出かけるか!」


そう言って家を出た。


慎吾の実家はあたし達が住んでる所から少し離れた郊外にあって閑静な住宅街の中にあった。。


「実は俺も実家に帰るのって久々なんだよ。仕事が忙しかったりでなかなか帰ってないからな。
しかも、結婚相手が教え子って事は言ってねぇ〜からなぁ。何て言われんだろ…。」