今日話せただけでいっぱいなのに、一緒に帰っている。 それがすごく奇跡に感じた。 隣を歩く美鈴さんをチラッと見て、何を考えているんだろう、とか、身長小さいなぁ、とか色々と浮かんだ。 急に足を止めた美鈴さんを見ると、お店のガラスをまじまじと見つめていた。 何だ? 何かあんのかな? ヒョコッと美鈴さんの顔の横に自分の顔を近づけた。 「何か見えるの?」 「な、何もない――」 振り返った美鈴さんが目を見開いて固まった。 え? 今度は何だ? 「ちっ!」 「ち?」 「近いぃぃぃい!!」