和君の車まで私はずっとお姫様抱っこされていた。


「神田、ポケットに鍵あるから
ドア開けてくれ」


「は、はい。」


ドアが開かれて私は後部座席に降ろされた。


「…さて、説明をして貰いたいんだが、神田はどうする?」


「えっ?」


「オレん家。来るか?」


「行きます。」


「乗れ。」


車は和君の自宅に向かって走り出した。


「カノ。」

「なに?」

「アキに電話しろ。
早く安心させてやれ。」

「うん。」

アキに電話をかけるとワンコールでアキがでた。

「もしもし?アキ?」

『カノ?!』

「連絡出来なくてごめんなさい。さっき和君がきてくれた。」


『後で私にも説明してね…』


「うん…それじゃ……」


「心配してただろう?」


「……っ、うん…」


涙が零れた。


(ごめんなさい……、
心配かけて……っ
ごめんなさい……)


車は和君が住むマンションに着いた。


和君の部屋は5階にあって、部屋に着くまでずっとお姫様抱っこされていた。