唖然とした。
喧嘩強いというか慣れてる??
そう思えた。



ぐぃっ

「走って!」

神田春哉が私の腕を掴んで駅に向かって走り出した。


バイクに跨りヘルメットを差し出された。


「乗って!」


「う、うん」

ここは素直に従うしかないと判断して私はバイクに跨り足をかけた―――

ズキンッッ!!


「痛ッッ!」


忘れさせていた足首の痛みが復活した。
思わず神田春哉の肩を強く握りしめた。


「どっかケガしたの!?」


振り向いて心配気に声をかけてきた神田の目が見れずに俯いてしまった。


「………別に」


なんて言い方だろうと少し後悔した。仮にも助けてくれた相手に向かって…………………!
(助けてくれたんだった!)

そう、助けてくれたのだ。なのに私はまだお礼も何も言っていない!

(謝らなきゃっ!)



「あ、あのっ!」



謝ろうとした時、神田に両腕を掴まれてそのまま神田の腰にキツくまかれた。



「飛ばすからしっかり掴まってて」



そう言うと神田はバイクを走らせた